3年前の体験記③

排泄ケアの必要性

成長していくために、
手放してニュートラルなスタートラインに立つ。

そんな意味のある春分の日の前の新月皆既月食

今の時期に自分を振り返ることは、

良いタイミングみたいですニコニコキラキラ

さて、

3日間連続で、

3年前の体験記シリーズ化しております真顔

おむつのメーカーのアドバイザーだった私が

私がやらなくて誰がやる?と動かされて実現した、

2箇所の施設でのおむつ体験。

1番の気付きは、私の排泄ケアをしてくださった

女性介護職員の方の感想からでした。 

2015年8月29日〜30日 東北福祉会 せんだんの杜様

こちらの2階、

さくらユニットの皆さんにお世話になりました。

ブログにはあまりにも具体的かと思い、

載せるのを少し躊躇いました。

でも、もしかしたらこれを読んで様々なことに

思いを馳せてくれる方がいるかもしれない。

実際に自分がその当時に感じたこと。

詳細体験記を載せてみます。

体験記の前に。

「おむつを着ける状態」という事は

生まれた時からこれまで獲得した「トイレ排泄」の習慣に逆行しています。

介護職の時、入所時のフェイスシートにある

「常時おむつ使用」との記載に、特に何の疑問も持たず、

それがその方の姿だと思い、そのまま疑いもせず、

ケアに当たっていました。

「おむつを使用している利用者様」を、

その方の一部として捉えてしまっていた事に、

今更気が付いたんです。

その方は、ある日突然、

おむつを着けなければいけなくなったはずで、

その方の通常の排泄では、もちろん無くて。

「当たり前」にトイレに行き、

排泄物や排泄の姿は自分だけのプライベート空間でするのが「当たり前」であったのも、

おむつを使う事、それだけで一変してしまう。

今回の体験では、

装着方法や手技的な面での検証の割合も目的の中に入れていました。

でも、 それより前に、

そういった基本的な人の感情という部分に、

多く感じるものがありました。

大事な物が、見えていなかったんです。

以下より、2015年8月29日~30日

特別養護老人ホーム せんだんの杜様でのおむつ演習体験記

時系列的に追って、かいつまんで記載します。

image

2015年8月29日 出発前

一泊、外泊をするという事、

着替えや洗面道具、持参していくものが、

スタッフの方、もしくは施設の中で見られるかもしれないという気持ちから、

「きちんとしたものを持って行かなきゃ」という変な意識が、

準備の段階から生まれていた。

ショートステイを利用するご家族様、

若しくはご本人様が感じられる感情なのかもしれないあせる

気疲れにも似た様な心持ちの中、

出かける前のトイレコントロールや、食事の内容すら、

自然と気をまわす自分がいた。

13:00

そんな環境の中、テープ止めを自ら装着し、車にて出発するが、どんなに密着してつけようが、ズボンの中は多少もこっとしており、到着するまで車の外に出るのは戸惑われた。

外からあからさまに「分かるのではないか?」

という気持ちから、人目に触れたくないという意識が出ていた。とんでもなく行動の制限になっていた。

一度ならまだしも、この制限がずっと継続していくならば、

心の制限になっていって外には出なくなるでしょう。

「これから泊りに行く」ということの視点からだと、

一度でも会話をしたことがある人が、その場に居る

という事はこちらにとっては、その方だけが今の安心感になり、その方に対しての期待感は自然と大きくなる。

 逆を言うと、誰の顔も知らない、

場所も見た事も行った事もない、何をしに行くかの理由も無い、(温泉でもないお風呂に入りに行く、運動しに行く…。などと、自分がこれまでの人生で全く目的としたことも無い事柄を言われても、さっぱり心には響かないであろう)

そして、そんな環境に行こうと言われて、

笑顔で行く方は居ないと思われた。

施設到着

14:00 

施設到着後、S係長より受け入れ頂き、流れの確認。

ユニット静養室へ荷物を置かせてもらう。

ユニットスタッフには、お二人の女性介護職員さん。

今日の勤務体制は、女性職員だけにして頂いていた。

挨拶後、お伝えしている装着方法についてご説明する予定であったが、タイミング的に難しく、

おむつ交換時にそれぞれお伝えするように変更。

14:30 

静養室にて右下肢拘縮状態を、股関節、膝間接屈曲し、

ゴムにて固定し仮定する。

思ったより不快感は無いが、

時間の経過にて膝が痛くなりそうな予感。

拘縮状態での衣類着脱の手間を省くために、

ロングスカートに着替える。

ユニットの、標準型車椅子をお借りして、

座クッション(FC2)をセットし使用させてもらう。

14:45 

フロアへ全介助にて移動。

もう、やや尿意を感じる。

フロアには二箇所テレビが設置されており、3つあるテーブルの一番廊下側に近い、テーブルの話に混ぜてもらい、車椅子上で過ごす。

他の利用者様は、眠っていたり、入浴のタイミングであったり、看護師からの点眼処置を受けたりしている。

「自分のする事(仕事)がまったく何も無い」状況にいるのは久し振りであり、史上最高の手持ち無沙汰の感覚…。

15:00 

おやつの時間

静養室へ置いてきたカバンの中に、持参したお菓子や飲み物が入っている。

自分では移動出来ない、その事から、忙しくしている様子は出さないようにされているスタッフさんに、こんな事くらいで声を掛けて良いものか、もはや遠慮する気持ちが生じた。

スタッフ様へ思いきって声をかけ、

車椅子を押してもらい部屋へ取りに行く。

押していただくスピードが、ゆっくりとしており、

乗っている自分にとっては配慮してもらっている感じが伝わった。

これが通常の、自分たちが歩くスピードで押してしまったら、

ジェットコースターでしょう。

15:30 

緑茶をお代わりする。

そろそろ尿意がレベル5が最高であればレベル3まで来ている。果たして車椅子上で出せるのか?

次の交換はあと一時間後だ。我慢できるのだろうか?

…といった気持ちの中、尿意を紛らわそうと、周囲を見る。

ユニットフロアに来た際から、まだ馴染めないのであるが、周りの人、誰がどの様な表情をし、どこに行こうとしているのか、何をしているのかが気になる。

スタッフ、利用者の方の名前だけでも、

全て知っていたいという気持ちになる。

名前すらわからないと、会話をしたくても、

会話をするきっかけが掴めないのだ。

名前も知らない人が沢山いる環境で、

どこに何があるかも分からない。

動き回っている人はスタッフさんだとは思うが、

声も掛けにくかったならば、今まで住んでいた馴染みのある、勝手知った自分の家を思い出すであろう。

「家」の認識は、

自分がその場所で知っている情報量にも

左右されるのかと思われた。

15:45 

「横になりますか?」と声をかけられるが、まだお茶が残っていたため、「飲んでから」と返答する。

そろそろ尿意レベル4。車椅子上で排尿を試みるも、

頑張って尿道口を開こうとしてみる。

どうにか出そうとしている時は、

目をつぶったり、顔を伏せたくなる様な気持ちになった。

16:00 

15分間頑張っても、出せない。

膀胱周辺にかすかな痛みを感じる。

我慢している状態が辛くなってきた。

「出しても良いよ」と脳に指示を出しても出ない。

車椅子上で横を向いたり、あぐらをかこうとしてみたり。

16:05 

スタッフさんより声がかかり、静養室まで移動介助を受ける。

定時交換の16:30に来てもらう様にお伝えす。

16:25 

とうとう初回のおむつ内排尿!

…は、お部屋の中でした。

20分格闘した末、
横になったままでは出せないことを痛感し、
ベッドへ端座位になり、腹圧を掛ける。

もうあと5分で交換の時間!

早く出さないとといった、変な義務感に心を転換させて

初回の排尿に試みる。

はじめは、ちょろちょろとしか出せず、

3分かかりやっと出し切ったような感覚に…。

完全なる、失禁です。

つづく

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