3年前の体験記 最終回~せめてこれだけは~

体験と感情。

4日間連続で、
3年前の体験記を書き留めております真顔

1 おむつのメーカーのアドバイザーだった私が

私がやらなくて誰がやる?と動かされて実現した、

2箇所の施設でのおむつ体験について。

2 1番の気付きは、私の排泄ケアをしてくださった

女性介護職員の方の感想からでした。

3 そして

当時の体験の振り返り4おむつを交換してもらう初体験。

続いて最後の今日は、

おむつ内排便と

その交換の体験からの考察 です。

排便を処理されるインパクト

昨日は初日の寝る時間までの体験記でした。

・・・と言っても、

実はぐっすり朝まで眠れない 顔文字
夜の始まりです。

なぜかというと、

介護施設では夜間にも数回、

おむつ交換に入る方がいるからです。

もちろん、それが必要な方もいるのですが、

一般的に夜は、体は尿を作らないように、

睡眠を優先させるので、夜に排尿量が多い場合は、

むくみがないか、昼間との量の差をみてくださいDASH!

毎晩、一度でも起こされている人は、

きっと睡眠不足になりがちです。

当たり前のことだけれど、

介護される側になると

何故かその

「当たり前」が無くなる気がします。

自分の当たり前が、何なのか。

それが、守られなくなるって、

どういうことなのか。

排便の処理のインパクトと共に、振り返ります。

おむつ
おむつ
おむつ
おむつ
おむつ
おむつ
おむつ
おむつ
おむつ
おむつ

2015年8月30日 入眠後

1:30 

夜間の交換1回目。3回目の交換。

23時交換後すぐに出た排尿のみ。

アウター:テープS     漏れあり    

インナー:クロスライク800 486cc

・いつもより丁寧な声がけで、推奨された装着方法で

・冷たい清拭を使用

・テープを施設様使用 

小さめM+サラケアワイドロング(800)に変更。

清拭の際の落ち着いた声がけに

安心感を感じました。

5:00 

夜間の交換2回目。4回目の交換。

入眠していて排尿出来ず。

排泄(-)

・陰部洗浄後ドライタオルで拭き上げ。

衝撃だったのが、陰部に温かいお湯が当たり、洗われる感覚。

ベッドで仰臥位にて、おむつを敷いているとは理解しているが、お湯がかかると

「下が濡れちゃう!」といった思いが生まれた。

「濡らしてはいけない所で洗われている」という体感が、

脳で理解出来ないような感覚。

もしも声がけが無かったならば、温かいとはいえ、

急に「濡れるはずのない場所、箇所が濡らされる」衝撃は、

大声や介護抵抗につながることは安易に予想される。

せっかく交換に来てもらい、

新しいおむつを広げてもらったのに、

悪い、仕事を増やして申し訳ないと思う感情も湧いた。

5:30、6:00、6:30 目がさめる。

7:10 

目がさめる。排尿レベル4。

座位になり排尿。腹圧かけ、排便も試みるが出ず。

7:30 

起床介助が遅れることを声がけいただく。

気にかけてくれる嬉しさを感じる。

7:45 

交換。5回目の交換。

アウター:テープS        漏れあり

インナー:ワイド小パッド   300cc

パッド前部へ汚染あり。パッド位置が後ろ過ぎた。

もう少し前ならばアウターへの漏れはなかったかも。

座位で排尿したからと思われる。

8:00 

フロア移動 朝食配膳受ける。

あえてコンタクトレンズ不使用にてフロアに出てみる。

裸眼視力0.1ほどの為、まったく人の顔が見えず、

表情が読み取れない為、自ら率先してコミュニケーションをとろうとも思えない。

テレビをボンヤリと眺め、

映っている内容も見えない為分からず、暇つぶしにもならない。

配膳やご飯をよそうのを手伝いたい気持ちを抑えながら、

配膳を車椅子で待つ。

8:30 

朝食後、なんとなくフロアに居るのが落ち着かず、

すぐに部屋へ戻る。

何も手伝えない、何の仕事をする事もない、

その事実に対峙することすら怖いのかもしれない。

「居場所とは何なのか」

これまで人の為に働いてこられた方ほど、自らの役割が無い事実を知った時、受ける絶望にも似た気持ちは計り知れないのではないか。

現場で働いていた時の事を、なんども思い出す。

言葉や表情では優しく対応してはいたが、

その方の仕事と思っていた役割を、

「危ないから」等のこちらの言い分で奪った事はなかったか。

「その方に寄り添う」って、簡単に言葉にしていなかったか。

その方の事を、本当に考えていたか?

自分がやっと、それに似た状況に置かれて、

今やっと気付いた。

・・・・そうこうしている間に体は便意を感じてくる。

排尿で慣れてきたものの、

排便を部屋にて試みるが、やはりなかなか出せない。

9:30 

おむつ交換の声がけに訪室してもらうも、

排尿、排便がまだのため、交換のタイミングを遅らせてもらう。

10:10 

排便を試みるが座位姿勢でも不可。

立位にて気持ちが萎えそうになりながら、

涙は出なかったにしても、初めて感じる心の動き。

「出してはいけない場所」で、

「自分では後処理が出来ない事が分かってる」のに、

排便をしなければいけない環境で、敢えて自ら排便をする。

初めておむつ内で排便をした方も、

きっと同じように感じられたはず。

自尊心の高い方ほど、

この「便を出した」イコール「便を漏らした」という感覚は、

きっとそれを受け入れるよりも、

この感覚すら忘れてしまった方が楽であろう。

肛門周辺は便を出す度にパッドで抑えられ、抵抗を感じる。

それでも出そうとしないと出ない。

すぐに体は出そうとするのを止める。

頑張って排便すが、全て出しきれない。

肛門に排便後はずっと便の固形感がそばに感じられる、

それはその場所が気になって、手が入る、手で触る、

という気持ちがわかる。

そうなった場合は、

私は弄便をする問題老人になるのであろうかショボーン

10:30 

全部出切ってはいないが、

便意は無くなったくらいまで出している。

もう来てくれるはずと、横になってみる。

だんだんと臭いが気になってきた。

右側臥位になってみるも、肛門の違和感は変わらない。

横すわりしかしたくない様な感覚。

体圧でおむつの外まで染みてくるように思われ、

シーツや洋服が汚れないか不安で仕方ない。

一体おむつの中は、どんな状態になっているのか。

考えられない滝汗

10:45 

最後の交換。6回目の交換。

非常に精神的に申し訳ない気持ちでいっぱい。

あまり下半身に感覚がいかない様にした。

スタッフの方は、電気をつけないでくれたり、

窓を開けたりして配慮していただいた。

アウター:テープS      漏れあり

インナー:ワイド小パッド   550cc

・前部を濡れたウェットで拭き、陰部洗浄を実施

・いつも通りの声がけで濡れたウェットで拭きあげる

・推奨した方法で、最後テープ止めの装着をお伝えし、これでおむつ交換の体験は終了。

ウェットで拭いたため、

すぐに乾いたもので拭き直したい衝動にかられるが、我慢。

他人に便を見られるのは、小さいころ以来であろう。

またその臭気を、

他人に嗅がれる事の何とも言えない恥ずかしさは、

スタッフの方の言葉遣いや醸し出す雰囲気で、いくぶん軽減された。

便に限っては、尿と違い、出た後の我慢出来る時間は全く違っている。

尿の場合は、パッドに吸収をし、

肌に当たるのはパッドの不織布であるが、便は違う。

そのものが、全て肌にくっついている、という状態であり、

おしりに便を塗ったくっている様な感覚であった。

意識は全てそこに集中され、食事や余暇活動なんて、

そんな流暢な事はもはや次元の違う事になり、

何よりも先に処理して欲しいものになる。

どんな声がけを受けたら、その感情は溶けるのであろう。

後から考えても、やはり

「トイレで排泄をする」こと以上の解決策は見つからない。

交換後はずっしり重かった腰部が軽くなる。

新しくおむつを交換してもらい、ちょうど11:00。

終了の時刻である。

下肢の拘縮状態を作っていたバンドを外す。

今一度拭きたい気持ちを抑えられず、陰部を拭き直す。

おむつを外し、普通の衣類に着替える。

なんとも言えない爽快感を感じ、一泊した静養室にも愛着がわく様な、気持ちの余裕が出てきた。

排尿も排便もしてしまったが、まだトイレが恋しい。

トイレに座って、思いっきり排泄をしたい。

その感覚を、早く普通に味わいたい。

体の感覚は、おむつを取った後も、

ずっと排泄に関することでいっぱいだ。

8月30日 11:00 

体験終了

体験後記

2~3日は、排尿時に違和感、残尿感を感じていた。

いつの間にか、普通の生活をしていく中で

自然に解消されたが、ずっとおむつ内で排泄を続けたらば、

この感覚が「普通」になっていくのであろう。

やはり、おむつは道具であり、トイレではない。

当たり前の事が、いつから特別なものになり、

不可能な事のように見えてしまったのだろうか。

パッドの良し悪しよりも、より良い当て方よりも、

何よりも先に、

おむつの中で排泄をする事で心がどの様な状態になるか、

それを想い図ることが必要であった。

日本に生まれ、

トイレで排泄をする文化を学んだ私たちにとっては

おむつはトイレに代わるものではなくて

単に受け止めるだけの道具であること。

手が、体が動くのであれば、

排泄後の拭き上げの動作だけでもその人にやってもらうこと。

この体験で得た、実感はこれでした。

せめて、せめておむつを使うのであれば、

出来るだけ

「当たり前」の排泄動作に近づけること。

その人の当たり前を探ることから始まりますが、

人として、感じる感情には似たものがあるはず。

不快感、羞恥心を感じやすいものの一つ

おむつ交換。

この体験で得た実感は、

今の自分の排泄ケアをお伝えするベースになっています。

出し方がうまくいっていなかったら、

お食事やお風呂、余暇を楽しむことなんて出来ない!!

誰かが言った言葉じゃなくて、体験したから言えることを、

どんな形でも表し続けていきたいと思っています。

この体験では

基本的で大切なことを教えて頂きましたおねがい

ご協力頂いた皆様に、改めて心から感謝致します。

本当にありがとうございました。

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しっかり出して

すっきり生きる

お手伝いをおむつおむつ編 heart*

お読みいただき感謝ですキラキラ

DASUケアLABの大関でしたおすましペガサス

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